「ムートンって高いものもあれば安いものもあって、違いがよく分からない」
「種類がいろいろあって迷ってしまう…」


そんなご相談をよくいただきます。

ムートンは一見同じように見えても、品質や仕上げの違いで寿命や使い心地が大きく変わります

そこで今回は、後悔しないための5つのポイントをご紹介します。
 
①毛皮の産地と品質の確認は最重要ポイント

ムートン製品は、羊の毛皮でできています。
よって、その毛皮の品質によって製品の半分以上が決まります
つまり、毛皮の産地と品質を確認することは、長く快適に使用する上で最重要ポイントとなります。

毛の密度が低いと快適に使用できず、さらに傷みやすくなります。

ムートンを購入する場合は、どのような毛皮が使用されているかを確認することが最も大切です。

下記画像は、他産地と当店の毛の密度の比較になります。
※画像をスライドできます。
Before After
 
当店のムートンは、メリノ種の中でも密度が高いベンディゴ地区のみ

当店のムートンは、密度が高く毛にコシがあるオーストラリア産メリノ種を使用しています。
また、その中でも「ヴィクトリア州 ベンディゴ地区」のものだけに厳選しています。

他国やオーストラリアの他地区でも羊は育てられていますが、成長が早すぎて毛の密度が薄く、製品の品質が不安定になります。

そこで、1㎠あたり4,000~5,000本と密度が高いベンディゴ地区のものだけに厳選しています。
 
ベンディゴ地区のアンショーンラム
さらに、毛の傷みが極めて少ない「アンショーンラム」だけを使用

羊は大きく分けて「ラム(1年未満の子羊)」と「シープ(1年以上成長した羊)」に分かれます。
また、1年未満のラムでは「アンショーンラム」と「ショーンラム」の2種類に分かれます。

【アンショーンラム(別名スプリングラム)】
生後4~5ヶ月未満で一度も毛刈りをされていない子羊。
夏場の紫外線の影響を受けず、毛の傷みが極めて少なくソフトで最高級の毛皮になります。
春頃に取引されるため、別名スプリングラムとも呼ばれます。

【ショーンラム】
約9か月~1年未満の子羊。
毛が太くコシは強くなりますが、ゴワゴワした感触になります。
また、長時間紫外線にさらされることで毛がとても傷んでしまいます

そのため、当店では最高級の原皮である「アンショーンラム(スプリングラム)」に限定して使用しています。
 
ベンディゴ地区で品質を確認中
毛の傷みが少なく、最高級の原皮となります
②耐久性に直結する「なめし加工」の確認

次に、毛皮を革製品にするための「なめし加工」を確認することが大切です。
このなめし加工が悪いと、毛が抜けたり皮が硬くて傷みやすくなり、耐久性が低くなります
また、色落ちもしやすく、製品の価値が下がります。

長く快適に使用するには、適切な「なめし加工」が施されているのが必要最低条件となります。
 
耐久性や品質に優れるクロムなめし

なめし加工には「白なめし」「タンニンなめし」「ホルマリンなめし」「クロムなめし」など、様々な方法がございます。

その中でも、クロムなめしは「耐熱性が高い」「腐敗に強い」「柔らかく弾力性に富む」など、ムートン製品にとても適しています。

耐熱性が高くなることで高温で染色できるため、色落ちがしにくいムートンになります。
また、自宅でも洗うことができるほど耐久性が高くなります。
※溶剤は三価クロムといって穀物やキノコ類にも多く含まれるものですので、人体に有害ではありません

なお、当店のムートンは白なめし後にクロムなめしを行っています。
白なめしで皮を酸性にしてからでないと、クロム剤がうまく浸透しません。
また、白なめしの加工度合いやクロム剤の適量など、少しでも配分を間違えると優れたムートン製品に仕上がりません。

長年の経験と知識を持つ熟練スタッフが丁寧に1枚ずつ仕上げるからこそ、長く快適にお使いいただけるムートンになります。
 
クロムなめし中
③ムートン製品に使用される部位の確認

ムートンは、背中の一部分が最も密度に優れます。
そのため、特にムートンシーツにおいてはどの部分の毛皮を使用するかが快適性や耐久性に大きく影響します。

頭や手足に近い部分は密度が薄く、すぐに傷んだり摩擦で切れやすくなります。
また、1匹ずつ毛の質や密度が異なりますので、製造者がどの部分を使用するかを見極めることができるかも品質を左右する大きなポイントになります。
 
ムートンシーツは約8匹分の毛皮を縫製
ムートンシーツには、密度に優れる背中の一部分だけを使用

当店のムートンシーツは、最高品質・高品質のどちらも密度に優れる背中の一部分だけを使用しています。

最高級の毛皮を使用し、さらに背中の一部分だけを縫製することで、長く快適にお使いいただけるムートンシーツに仕上がります。

また、ムートンシーツは約8匹分の毛皮を使用します。
そのため、縫製前に毛皮の密度や品質を選別することが大切です。
 
シーツには高密度な部分だけを使用
使用する部分を1匹ずつ選別
④縫製・仕上げの大きな違い

どんなに質の高い毛皮を使用しても、縫製する技術が低いと台無しです。
ムートンシーツなどの縫製して仕上げる商品は、きちんと縫製されているかどうかが耐久性に直結します。

特に中国製などの海外製は縫製技術が乏しいところが多く、縫製後にでこぼこした形になります。
普段は裏地が付いていて見えない部分ですが、ここに日本の職人の優れた技術が詰まっています。
 
中国製の縫製
縫製は、熟練の職人が安心!

当店のムートンは、縫製技術に優れた職人が1枚ずつ手作業で仕上げます。
キレイに縫製されることで、長くご使用いただいても傷みにくくなります。

もちろん、長年のご使用により傷んだ場合もメンテナンスが可能です。
安心してお使いください。
 
当店のムートンはキレイに縫製
⑤なめし加工から仕上げまでの生産体制を確認

「日本製ムートンシーツ」と表記されていても、その製造方法は実はさまざまです。

当店のムートンは、毛皮を輸入した後、日本国内でなめし加工・染色・縫製・最終仕上げまで一貫して行う製造元で生産しています。

この一貫生産だからこそ得られるメリットがあります。
 
  • 原料のトレースが可能:どの毛皮を使用したか明確
  • 製造工程の一貫管理:品質が安定し、さらに安心
  • 熟練職人の仕上げ:使い心地がよく、長持ち
もちろん、表の毛皮が中国製などの海外製でも、しっかり管理された製造元であれば品質は問題ありません。

ムートンは「どこで、どのように仕上げられているか」により、快適性や安心感が大きく変わります。
また、購入後のメンテナンス面にも大きく影響します。

最終仕上げまでの体制を確認することが、長持ちするムートン製品を選ぶ大切なポイントです。
 
当店のムートンは純日本製
ムートン選びの5大ポイント

1. 毛皮の品質 = 製品の命の半分以上
産地や密度、品質で快適性や耐久性が決まります。
⇨密度が高く、毛の傷みが少ない毛皮を選ぶのが鉄則!

2. なめし加工が耐久性を大きく左右
なめしが悪いと、毛抜けや硬化、色落ちの原因に。
⇨耐久性に優れた「クロムなめし」がオススメ◎

3. 羊のどの部分を使用しているかが重要
背中の部分は密度が高く、快適性と耐久性に影響。
⇨ムートンシーツなら、背中の一部分だけを使用したものがオススメ!

4. 縫製技術が寿命を決める
最高級の毛皮でも縫製が粗ければ台無し。
⇨熟練の職人仕立なら、安心して長く使えます。

5. 仕上げまでの生産体制を確認
「日本製」と表記されても製方法はさまざま。
⇨なめし~縫製まで一貫生産なら品質も購入後も安心!
 
製造元のマスダ工場前で
最後に

これらのポイントを確認することで、失敗しないムートン選びができます。

ただ、一番大切なのは信頼できるお店から買うこと
もしムートンの選び方にお悩みの方は、どうぞお気軽にお問い合わせください。